印象に関する心理学用語

 

ここでは、印象に関連する心理学用語とその意味についてまとめている。 

 

印象とは何か、どういうものか。感覚的には誰もがわかるが、言葉で説明するのが難しく、同じ人、同じ物を見ても、人によってそれに対する捉え方や感じ方が変わるのが印象である。

印象とは何か

印象には、いくつもの要素がある。
その人物の容貌、服装、持ち物という外見的なモノから、表情、話し方、声、動作という言動によるモノ、その人物と合っている状況や環境、周りにいる人々の反応など、様々な断片的な情報から形成されるもの。これらを含めたその人物に対するまとまりのある全体像のことを印象という。    ある人物に相対したとき、その人に対してもつ好意や嫌悪などの感情を全体的な評価であり、他人との関係を築くための重要な要素。 

同じ人間でも、昼間のコンビニで、ジャージにビーチサンダル姿で、あくびをしながらレジに並んでいる時に出会うのと、高級レストランの会食で、パリッとした服装でビシッと決め、難しい仕事の話をしている時に出会うのでは、印象はかなり違うものになる。

印象に関するバイアスは、印象に関するバイアスを見てもらいたい。 

 

 

印象操作

誰でも知っているのが、この用語だろう。心理学者のシュレンカーとウェイゴールドによる印象操作とは、現実のあるいは想像上の他者に対して、情報の調整をする活のことである。自分をどう見せるか、他人に与える印象をコントロールしようとする試みでもある。話術の巧みさや話し方、表現方法、声のトーン、感情への訴え方、身ぶりしぐさなどにより、印象は操作される。                           

笑顔が本物に見えれば見えるほど、人は抵抗なく相手を受け入れ、笑顔を向けられているうちに警戒を緩める。表情が豊かで生き生きとした人ほど、温かみがあり社交的で、能力が高いと判断してしまいやすいという心理的傾向もある。 印象が操作されるのは、人が断片的な情報から、相手の全体像を捉えるからである。これを印象形成という。

安倍元首相は桜を見る会の問題など、野党やメディアからの質問攻勢を受けていた時、よく「印象操作」という言葉を使った。専門用語を使うことでその内容がわかりやすく強調され、メディアがそれを取り上げやすく、人々の記憶に残りやすくなる効果があったと思われる。

印象形成

人は断片的な情報から相手の全体的な印象を作ること。そのため人は、外見や声、態度、身ぶりなど限られた情報を手掛かりに、その人がどのような人物なのか推測することになる。心理学者のS.E.アッシュによると、全体の印象形成は、いくつもの要素がまとまって作られる。その中でも影響を与えるといわれる中心特性がある。例えば、知的、勤勉、決断力があるという印象を形作るための要素が同じでも、中心となる要素が1つ、例えば温かいか冷たいかが違うだけで、相手に与える印象は変わってしまう。

対人魅力

自分を魅力的に見せたい、好きな相手は魅力的に見えるというこの魅力であり、特定の誰かを認識する度合いに関係する。

示差性

顔の目立ちやすさの程度のこと。                              示差性が高ければ人ごみの中で目立つが、低い顔は表情を変えることで、顔の特徴すら変えてしまう。

デュシェンヌ・スマイル

本当の笑顔のこと。目の周りの筋肉が動き、頬が持ち上って微笑んでいる表情。          心理学者のエクマンが、笑顔の時の表情や筋肉の動きの違いを発見したデュシェンヌにちなんで名付けた。

メラビアンの法則

コミュニケーションで影響を与えるのは、言語情報が1割、視覚や聴覚情報が9割という法則。    メッセージには、発言内容という「言語情報」、声のトーンや話す速度、口調という「聴覚情報」と、表情や身ぶり手ぶり、視線や身体の向きという「視覚情報」である非言語表現が含まれる。  コミュニケーションで影響を与えるのは、非言語表現が大きい。見た目や表情、しぐさなどと言葉が一致しないと伝えるメッセージに矛盾が生じやすい。

ルッキズム

外見至上主義と訳される。見た目で人を判断したり、容姿を理由に差別したりすること。Looksとismを合わせた言葉。

タイトルとURLをコピーしました