感覚・知覚に関する心理用語

 

ここでは感覚・知覚に関する用語とその意味についてまとめている。

 

まず感覚・知覚について、専門用語を用いておさえておこう。

 

感覚・知覚について

感覚とは 感覚器官が刺激されたときにおこる意識経験のこと。主なものに視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感があるが、大まかに3つに分類される。

  • 特殊感覚・・・五感の中でも視覚、聴覚、嗅覚、味覚がこれに入る。他に平衡感覚がある。
  • 体性感覚・・・五感では触覚が体性感覚である。触覚は体性感覚のうち皮膚感覚(表面感覚)に入り、皮膚感覚には温度感覚や痛覚などもある。体性感覚には他に深部感覚があり、運動感覚や位置感覚は深部感覚になる。
  • 内臓感覚・・・臓器感覚と内臓痛覚がある。臓器感覚はお腹が空いた、おしっこがしたいなど、臓器に物理的に生じる感覚のこと。

 

知覚とは、外界から刺激を受け取り、その刺激に対して意味づけをするまでの過程のこと。     例えば、皮膚が熱さや冷たさという感覚情報を受け取り、熱い、冷たいという意味づけをするのが知覚である。脳は知覚として五感だけでなく運動感覚、内臓感覚なども含め情報を処理し、統合する。

認知とは、知覚された上で、それが何なのかを判断し、どういうものか解釈したりする過程のことである。脳は反射的に効率よく判断し、解釈を行うが、この時に認識と事実にズレが生じることがある。このズレを認知バイアスという。

感覚・知覚に関する心理的傾向や現象、錯視などのバイアスに関しては、感覚・知覚に関するバイアスを見てもらいたい。

 

メラビアンの法則

感覚・知覚に関する用語で、最も知られているのがメラビアンの法則である。                これは、コミュニケーションで影響を与えるのは、言語情報が1割、視覚や聴覚情報が9割という法則。メッセージには、発言内容という「言語情報」、声のトーンや話す速度、口調という「聴覚情報」と、表情や身ぶり手ぶり、視線や身体の向きという「視覚情報」である非言語表現が含まれる。コミュニケーションで影響を与えるのは、非言語表現が大きい。

コラムや記事を書く時に、ボディランゲージや表情、声や話し方が大切だ、重要なポイントだと強調したい時に使いやすい法則である。

 

勘は日常的に使われる言葉であり、瞬時の判断力に関係する。理由がわからないが、そうだと感じるような感覚であり、最初の2秒でそれが判断できるという説もある。適応的無意識と一緒に使うと心理学的な印象が強くなる。

経験則による感性と想像する際のひらめきからなる。無数の経験やバラバラの知識につながりをもたえて、ギュッと圧縮してまとめ、目指す方向や対象を把握して想像し、判断やパフォーマンスに変えていく能力。全体を即座に把握し、感じ取れるという直観的な能力のこと。適応的無意識も勘と同じ概念である。

適応的無意識

適応的無意識は一瞬の判断や直観的な判断であり、意識より先に思考や行為を決定すると言われる。人が一瞬見ただけで相手の感情やどういう人かを判断してしまうのも適応的無意識によるもの

 

画像優位性効果

情報は話して聞かせるより、ビジュアルと音による情報の方が記憶に残るという現象。分子生物学者のジョン・メディナによると、聞かせただけの情報の場合、72時間後には内容を約10%しか覚えていないが、画像を加えた場合は65%が記憶に残っているという。

サビタイジング

目に見えている物の数を、ひとつひとつ数えることなく把握すること。把握できる数は個人の能力や条件によって異なる。

視覚的注意

視覚情報から必要な情報を選択的に集めて、処理するシステムのこと。

色か形、方向などの異なる特徴ごとに集められ、それらの情報が統合され処理されるといわれている。視覚的短期記憶と関連し、短期記憶に保持できる容量は多くて4~5個。視覚的に物体を追跡できるのも一度に4~5個といわれる。

感情音声

さまざまな感情を含むことで声質が変化すること。例えば、「怒り」の感情の時は強く凄みがある声質になり、「喜び」では明るく高い声質になる。悲しみや怖れなど、訓練していなければ表現するのが難しい感情もある。

時間分解能力

音や言葉を聞きわけるための能力。耳年齢を測定するために使われる周波数である“モスキート音”は有名だが、年齢を重ねると音や言葉を聞き分けるための能力も少しずつ低下する。

 

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