『ミステリと言う勿れ』 第2話の運転手の言葉にみえたバイアス ードラマの中の心理学

 

月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)

最新のドラマ満足度で1位になったそうで、個人的にもこのクール一押しのドラマ。

主演は菅田将暉さん、魅力的で個性的でありながら、平凡な役もできる素晴らしい役者さん。

 

ところで、第2話の運転手のある言葉にひっかかったのです。

“ドラマの中にある隠されたミステリーみたいな感じ

例えば、なぜここでこの場面設定、なぜここでそのセリフ、その小道具にはどんな意味、なぜここでその服装、というような???の物事。

ドラマを見ながら、ちょっと違和感を感じたり、引っかかったりしたことはありませんか。

スル―することもあるけれど、ついつい、これはなぜ?と理由を考えてみたり、その先はどうなるのか想像してみたり

見ているうちに出来上がった自分の思い込みが、トリックや展開でひっくり返されて、

そうか、こうきたか!なんて、感心する。

ドラマの中に、色んな心理学の要素が出てくることも度々です。

 

 

このドラマの第1話、見逃し配信の再生回数は、1週間で424万回再生。

フジテレビのドラマで歴代最高の記録!

やっぱりね、繰り返し何度もでも見たくなりますもの。

第1話はドラマというより映画を見ているみたいな印象でした。

 

原作は漫画家・田村由美氏の人気コミック。

この漫画の1ファンとしても、この1話目が一番好きです。

 

主人公・久能整(ととのう)の人に対する鋭い観察力がすごいのです。

仕草、身体の向き、言葉使い、話し方、表情とマインドリーディングの要素が散りばめられていて

ドラマはストーリーやセリフはかなり原作に忠実に書かれているけれど、1つ1つの仕草や表情などボディランゲージまでは原作には描かれていない。

ドラマでは、原作にないコマとコマの行間の人の表情や仕草、動作の流れが必要になる。

それを演じる菅田さんの演技は見事!

例えば自分が関わり合いたくない相手、感情を露にしたくない時はポケットに手をつっこみ脇を固め

気を許せるようになれば、肩の力を抜いて、両手をポケットから出すなんてことも。

他のキャストもうまい役者ばかりで、掛け合いもやり取りもどれも秀逸。

 

 

ドラマの中で気になったのは第2話から第3話です(一部ネタばれあり)

 

バスジャック犯2人の目的は、連続殺人の最初の犠牲者、犬堂愛珠を殺害した犯人をあぶり出すこと。

捉えられたのは、愛珠が殺害される前に乗ったていたバスの終点で一緒に下りた乗客。

 

愛珠がバスに乗った日曜の午後で、乗客は”常連のお客さんばかり”だという設定。

運転手が言った常連という言葉が引っかかります。

我路が常連のわけがない…

 

愛珠は日常的にバスには乗らないが、5人に乗客のうち3人は愛珠のことを覚えていた。

では我路のことは?

我路を演じているのは永山瑛太さん、イケメンです。

そのイケメンが金髪なのだから、どうしたって目立つでしょう。

なのに常連の乗客たちは、その日一緒に終点まで乗っていたと言われ、誰も不思議に思わない。

記憶は誘導や直前に与えられた情報によって、書き換えられてしまいやすいものではある。

追い詰められた状況では、そこまで考える余裕がなかったとも考えられるかな。

 

それ以前に乗客たちは、お互いに見たことのある顔だという認識はなかったみたいで。

興味や関心がなければ、視覚に入っているのに見えていない、重要だと認識していない事には気付かないという「選択的注意」ってことかな。

それとも我路は他の乗客に気付かれにくい一番、後に座っていたとか。

そんな事を考えるほど、我路のインパクトは大きかったのでした。

 

 
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