新年が明けて3日、「ニンゲン観察バラエティ モニタリング お正月SP」(TBS系)に木村拓哉さんが仕掛け人として出演した。 今回、出演したのは番組で度々行われている潜入シリーズ。 潜入したのは、なんと東京ドームで行われていた「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIB」のライブ会場!
それも変装なし!! なんで? 大丈夫?? そのままのキムタクが舞台に上がったのだ。
何かが起こる、絶対バレる、騒動になる、とライブ会場に響く黄色い悲鳴を想像する。
もちろん番組スタッフは変装を提案。だけどキムタクはそれを拒否。 冷静な表情でこう言いきった。 「絶対ばれない。見てな」
番組スタッフではないが、えぇ!大丈夫⁉ と心配になる。 仕掛け人の下手は変装もこの番組の見どころではあるが、変装するのは、やっぱりばれたくないという心理から。
でもキムタクは、そのままでも絶対バレないと断言した。 スーパースターならではの経験で、ライブ会場での人間心理を分析していたのだ。
ライブが始まり、観客は一斉に三代目に注目。同じ舞台上で、ライブ衣装に身を包み、大きな旗を振るむき出しのキムタクに気づく者は誰もいない。 観客の方を向きパフォーマンスを始めた三代目のメンバーも、まったくキムタクには気づかない。
「な」と舞台を降りてきたキムタクは、スタッフにドヤ顔を決める。これが、いちいちカッコいい。
パフォーマンスが始まったばかりでメンバーは緊張している。メンバーは観客に集中、観客はメンバーに集中。だから誰もメンバー以外の人間に注意は向けない。だから気が付かないと説明するキムタク。
次はメンバーの乗るフロートをスタッフに紛れて押す。カメラがメンバーから下へとターンして、フロートの足元にいるむき出しのキムタクを映し出すも、気が付いた観客はフロート近くにいた極わずか。
みなさん、上にいるメンバーを見上げているため気が付かない。
ライブ会場にキムタクがいるとは考えもしないため、その姿が目に入ってもスルー。
見ているのに、見えていない。
人間の心理なんて、そんなものです。
バックステージに戻ってきたキムタクは、ドヤ顔で「な」とスタッフに。
スポットライトを浴び続けてきたスターならではの心理分析は的中です。
ここで番組メンバー、ブラックマヨネーズの小小杉竜一が登場。むき出しで潜入のキムタクに驚愕。 そりゃそうだよね。いつも自分がバレないかと変装後もびくびくものの小杉さん。 なのに、メンバーの間近で同じ画面に映りこむようにキムタクに言われて、ビビりながらも会場へと出て行った。
会場に出るとビビりすぎて、近寄るメンバーの方へ顔を向けることができない小杉さん。
キムタクと小杉さんの違いは何なのか、といえばそれは「スポットライト効果」。 人は自分が他人から注目されていると錯覚しやすいものだ。 実際以上に自分の外見や行動に他人が注意を払っていると思い込む。 スポットライト効果とは、自分にスポットライトがあたり注目を集めているように感じるという思い込みのことだ。
小杉さんはスポットライト効果により、ライブ会場という状況にも関わらず、メンバーに気づかれるかもしれないと危ぶんだ。自分は人に注目される存在だと思っているから。
深層心理では、注目されたいと思っているから。
ところが日常的に注目されて続けているキムタクは、この状況では誰も自分に注目しないと言い切った。
この差はどこからくるのか。
それがスポットライト効果の正体、自意識過剰や自分への思い込みや錯覚だ。 人は自分が思っているほど、他人に注目していない。
キムタクはそれを身をもってよく知っている。 だからこそ変装なしの潜入で「絶対ばれない」と断言したのだ。
三代目のメンバーは最後の最期、キムタクがメンバーの方を振り向くまで、それが彼だと気が付かなかった。 理由はこんなところに、自分たちのライブの衣装を着たキムタクがいるわけがない、という思い込みだ。
あのまま最後にキムタクが正体をばらさず、メンバーの横を通り抜けていたら、彼の存在に気が付いたメンバーがいたのか。心理分析をしている身としては、モニタリングでそこまで見たかったなぁ。