ここでは、印象に関するバイアスの用語とその意味についてまとめている。
印象といっても、それに関連するバイアスは様々だ。第一印象に関するバイアスもあれば、イメージの変化や、印象のギャップに関するバイアスもある。
例えば、記事を読む人に自分のブログやコラムを印象づけたいなら、この2つの効果がポイントだ。 タイトルや最初の書き始めは、キャッチーにインパクト重視の文章にした方がいいと書かれているモノが多いが、これは「初頭効果」を狙ったものだ。 記事の最後は書きっぱなしではなく、きっちりとシメの文章で決めないと、記事が中途半端な印象になる。最後のシメ方が人に与える印象で大切になるのは、「新近性効果」とよばれるバイアスがあるからだ。
趣味のブログなら、自分と似たようなところがあれば、相手に親近感を持ち、よい印象を持ちやすいという「類似性の法則」が起きやすい。
人間関係のあらゆる場面で、気をつけるべきバイアス、役立つバイアスとして説明されている記事は多いが、バイアス用語を用いて説明したり、分析されている記事は、思ったよりも多くない。専門用語が簡単に思い浮かぶテーマもあれば、用語の意味するところを、応用して分析できるものもある。
印象に関する心理学用語については、印象に関する心理学用語を見てもらいたい。
ゲイン・ロス効果
印象について一番使いやすいのは、ギャップについてだ。ギャップに関するバイアスはゲイン・ロス効果が有名だ。ギャップ効果と書くより、ゲイン・ロス効果と書いたほうが、記事がより専門的に見えてくる。初頭効果と合わせて書くと、最初のイメージとのギャップのインパクトをより強調できる。
見た目と中身の違いや、過去と現在の違いなど、最初に持ったイメージや印象とのギャップが大きいと、それだけ相手により大きなインパクトを与え、印象を変えることができる。印象の変化は、人を惹きつけるのにとても効果的。プラスの印象とマイナスの印象のギャップやコントラストが大きいほど、印象に残りやすい。
初頭効果
第一印象について記事を書く時に使えるのが、初頭効果だ。これは最初の情報が印象に強く残りやすい傾向であり、この効果のため、最初の印象がその後の評価に影響を与えやすいといわれる。初頭効果と逆が親近効果になる。
スピーチやプレゼンテーションなどの時、最初の第一声が重要になるのは、この効果のためだ。 まずは最初に聴衆の心をぐっと掴むのが大切と言われるのは、初頭効果の影響が強いからである。
新近性効果
最後に示された情報や特性が印象に残りやすい傾向。その後の評価や判断に影響を与えやすい。 スピーチもプレゼンテーションも、きっちりと気持ちよく終わらなければ、それまでの印象が台無しになる。これは新近性効果のためだ。
ハロー効果
これは一般的によく知られている効果になり、”親の七光り”や“トラの威を借るキツネ”という諺で表されているものだ。対象の見た目や際立った特徴、功績などに左右されたり、ある特定の利点や欠点に目がいき、全体の印象や評価がそれにひきづられてしまう傾向。
プラスの意味で使われることが多いが、例えば親が何か罪を犯してしまうと、子供もそのように見られやすくなるなど、マイナスの場合もハロー効果は起こりうる。
類似性の法則
似たような特性を持つ相手に対し、親近感や抱きやすく好感を持ちやすい。自分と似ている人、自分と類似性があり、共通する接点のある人に好意をもちやすい傾向。態度や考え方、好みや趣味など様々な面で共通点が多いほど、相手のことを好ましく思う。
単純接触効果
同じ対象に何度も繰り返し接していると、その対象を好ましく感じるという傾向。ザイオンス効果とも呼ばれる。
ザイオンス効果
人は繰り返し見ている相手に対して慣れが出てくる。慣れてくると、よく目にする相手、よく顔を合わせる相手に対して魅力を感じ、好意を持つようになるという傾向。
奇異性効果
普通とは違って奇異で奇抜なものの方が、ありふれたものよりインパクトが強く覚えられやすい傾向。「奇異」というと、奇妙や奇怪、不思議という意味あるが、普通とは違って珍しい、優れているという意味もある。
フォン・レストルフ効果
似たようなもの、同じようなものの中で、目立つものや特徴のあるものが印象に残り、記憶に残りやすいという傾向。
ステレオタイプ
印象に関わるステレオタイプは、外見、容貌、性別、年齢、人種などのカテゴリーで区分された成員の属性に対する一般化した固定概念、思い込みや先入観のこと。
チアリーダー効果
一人でいる時より、集団(グループで、グループの中)でいる時の方が同じ顔でも魅力的に見えるという減少。