問題や不祥事が次から次へとわき出てくる自民党議員たち。 政治資金パーティーの裏金疑惑に過激ダンスショー、その前には女性局のフランス研修、エッフェル姐さん事件もあったっけ。 原因や経過は1つ1つは違っても、関わる議員たちの言動を分析して見えてくる3つの共通点、 正常性バイアス、同調バイアス、リスキーシフトという3つのバイアス
1.正常性バイアスは、どうせ大したことないし、自分だけは大丈夫だからと楽観視してしまう心理傾向。
2.同調バイアスは、みんなそうやっているから、そうしているからと、他の人達や集団と同じ言動をしてしまう心理的傾向。火災が起きたのに、みんな逃げないからと逃げ遅れてしまう時に問題視されるのがこの心理。
3.リスキーシフトは、一人ならやめようとすることも、集団の中ではなぜかやってしまう、リスクの高いことを選んでしまうという心理的な傾向。
これらがどう絡み合い彼らの言動に影響しているか、みてみよう。
まず1つ目は自民党の派閥の政治資金パーティー、売った分の一部がキックバックされていたのに、自民党安部派や二階派の議員たちは、政治資金収支報告書に記載していなかった。
裏金と認識していた議員もいたが、必要ないと事務局から言われてそのまんまという議員がほとんど。裏金かもと思いつつそのままにしてしまった人も、これでいいはずないよなと気が付きつつ、事務局がそうしたからと放置した先生も、みんながやっていたからと、誰も声を上げてやめようとはしなかった。
これって「赤信号みんなで渡れば怖くない」の心理状態そのもので、自分だけならやめておくけど、みんなやってるからというリスキーシフトに、みんなやっているからという同調バイアス、大したことはないだろうと思ってしまう正常性バイアスが絡んでいる。
2つ目は昨年11月には、自民党の青年局近畿ブロック会議が主催した懇親会で、過激なダンスショーが行われた事案。自民党の若手議員らが参加していたこの懇親会、下着みたいな衣装のダンサーに口移しでチップを渡し、衣装に紙幣を挟み、昭和でいうなら鼻の下を伸ばしたエロジジイぶりが暴露された。
懇親会を企画した川畑青年局長は、テーマが多様性と主張した。何がどうなったら多様性になるのかわからない人が続出、批判が殺到。
そんな懇親会を誰も止めることなく、みんなで楽しんじゃったらしい自民党の先生たち。 色々起きても起こしても、渦中にいる先生たちは誰も止めない。 過激なショーはまずいと思いながら、どうせ問題にはならいだろうと、自分が責められるわけじゃないし、途中で止めるのもどうかと止めなかった若手議員たち。
もしかしてやヤバイかも、最近はSNSですぐ拡散するし、でも…みんなやっているからいいか、大丈夫だろう。 ここは右に倣えでやっておくか。まあ自分にまでお咎めがくることはないだろう。 という思考パターンが出来上がった末、何人もが問題を見て見ぬ振りをし不祥事を起こした
自民党にはびこるこれらのバイアス、追求されても問題になっても、議員辞職するわけでもなく、次の選挙で落選するわけでもない。だから、どんどん繁殖し膨張する。
政治資金収支報告書を修正し、適当な金額を並べちゃえば通ってしまう先生たちだから、知らない、わからない、記憶にないで世の中を渡ってしまう先生たちだから、バイアスに気づいたところで、わざわざ修正しようとするわけないか。
さらに、政治審理審査会に出席した安部派5人衆は派閥の幹部でありながら揃いも揃って、“わからない” “知らなかった”と言い訳した。 正直に言ったら、みんなから村八分の仲間外れにされちゃうのかな。 自民党にはびこる同調圧力が、バイアスを強化しているのかも。