なぜ忘れてしまうのか? 繰り返されるデータの改ざんと「選択的知覚」の関係

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またも繰り返されたデータの改ざん!

そう”またも!”なのだ。

ついこの前にも、文書偽造やらデータの改ざんはあったのに、いつの間にか忘れている…。

 

その“なぜ?”について考えてみた。

 

日本の統計データは信じるに値すると思ってきた。

信用しているというより、そのまま鵜呑みにしてきたと言う方が正しい。

これが中国が出してきた統計なら、ちょっと胡散臭いなと思ところなのに。

 

 

その理由は簡単。

メディアでは様々な人が、これまで何度となく中国の経済統計の数字に疑問を呈してきた。

中国共産党という一党支配の権威主義の元では、どこも体裁のよい数字を出さなければ、という組織的な事情。

そうだよな。

1月5日の西日本新聞ネット版に『「都合の悪い数字」隠した?中国政府統計、消えた出生率の謎』と題する記事が載った。

都合の悪い事はやっぱり隠してしまうんだ。

武漢で発生したコロナウイルスも、発生当時はそうだったよな。

 

北京の一流ホテルに入っている高級ブランドの店に入ろうとした時、中国人ガイドがささやいた。

「ここで買わないで下さい。偽物かもしれないから」

 

日本に留学している中国人の学生が、日本製のシャンプーとリンスを家族のお土産に買って帰った。

「中国の製品には、何が入っているかわからない」

やっぱり。

そんな話を繰り返し聞くと、中国は信用できないと思う。

 

 

反面、日本の統計には疑問を持つことなく信じてきた。

いや、今も信用しているよな。

データ改ざんが繰り返されていることを知っているのに、省庁のHPに載っている統計結果、新聞等が掲載するデータや数字は疑わない。

 

今度は国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」の改ざん。

8年に及んで書き変えられていたデータの調査結果は、GDPの基礎データの1つだ。

 

3年前には厚生労働省でも統計調査の不正があって大騒ぎになった。

これも基礎データの1つに使われる数字。

日本の経済統計も実のところ正確ではないのかも…。

それなのに、出てきた数字を疑ってみようとしないのは、なぜ?

 

日本の統計は性善説で判断し、中国の数字は性悪説で捉えているんだ。

どんなことがあっても日本はOK、大丈夫だと思っている。

他の国より信じられる。

悪い情報は聞きたくないのが本音。

だから不正や改ざんに怒り呆れても、時間が経てばメディアも誰も話題にしなくなり、そのうちそんな記憶も頭の隅っこに追いやられ、いつの間にか忘れてしまう。

 

日本に対する「選択的知覚」、日本国民である自分にとって好ましくない情報、信念に反するものは忘れてしまうというバイアスが自分にはあるのだと思う。

 

政治家が蠢くようなドラマでは「日本の国民はすぐに忘れてしまう」というセリフをよく聞くじゃないか。

昨年秋のドラマ「日本沈没」でも聞いたよな。

 

ドラマで使われるほどだから、多くの人がそう感じているのだろう。

その裏にあるのは、根本的に自分の国を好きで、信じているという人が多いということかな。

 

振り返って考えると、日本ってこういう国だと疑いもなく思い込んでいることがいくつかある。

日本という国に関する思い込み、バイアスを自分なりに探っていこうと思う。

 

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この記事を書いた人

臨床心理士、文学修士
経営心理コンサルタント、商学博士
コミュニケーションやボディランゲージの分析、バイアスに関するコンサルティングなどを行っています。
話題の出来事や時事問題から、注目されている人物、ドラマ、映画まで幅広いテーマについて、心理学や行動経済学、リスクマネジメントなどを用いて、独自の視点で分析する記事を書いています。

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