記憶に関するバイアス2

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記憶に関するバイアス1に続いて、記憶に残りやすいものと残りにくいもの、いわゆる記憶の定着に関するバイアスと、その意味についてまとめている。

バイアスは、知覚や思考の偏り、意思決定などにおけるその人物や組織などの心理的な傾向や現などである。バイアスは本人が気がつかないものから、自分でわかっているもの、はたから見ればすぐにわかるものまで様々あるが、どんなバイアスが生じているのかは、その人物の言動を観察したり、集団や組織の行動などを見たり聞いたりして分析し、判断することになる。

 

 

記憶は、情報を提示する順番や方法によって、残りやすさが変化するといわれている。そのうちの1つ、第一印象を左右する初頭効果はよく知られているバイアスだ。

記憶に関するバイアスのうち、スマホやパソコンを使っている人なら、誰もが経験しているだろうバイアスがグーグル効果。言葉を調べるのだって、今はいちいち辞書を引くより、指先を動かすだけで簡単に意味が調べられる。簡単に調べられるし、忘れてもすぐにれば済むことだと脳が学習しているから、わざわざ記憶に残そうとしなくなる。結果、簡単に手に入れた情報は簡単に忘れてしまい、記憶に残らなくなるのだ

記憶の残りやすさに関する効果には、以下のようなものがある。

 

目次

系列位置効果

情報は最初と最後に提示された方が、記憶に残りやすいという効果。                    最初に提示された情報が印象や記憶に残りやすいのは初頭効果であり、最後に提示された情報が印象や記憶に残りやすいのは新近効果である。新近効果は終末効果ともよばれている。

画像優位性効果

記憶に残りやすいのは、どのような情報かについての効果である。記憶には話して聞かせるより、ビジュアルと音を合わせた情報の方が残りやすいという現象のことを画像優位性効果という。分子生物学者のジョン・メディナによると、聞かせただけの情報の場合、72時間後には内容を約10%しか覚えていないが、画像を加えた場合は65%が記憶に残っているという。

自己関連付け効果

自分に関連づけた事は記憶に残りやすいという傾向のこと。

フォン・レストルフ効果

似たようなもの、同じようなものの中で、目立つものや特徴のあるものが印象に残り、記憶に残りやすいという傾向。

テスト効果

読んだり書いたりしているだけより、テストをした方が記憶に残りやすいという傾向。

グーグル効果

インターネットで検索して、簡単に得られた情報は忘れやすいという傾向。容易に得られた情報は、自分の頭の中に情報を保持することなく、忘れてしまう現象。

 

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この記事を書いた人

臨床心理士、文学修士
経営心理コンサルタント、商学博士
コミュニケーションやボディランゲージの分析、バイアスに関するコンサルティングなどを行っています。
話題の出来事や時事問題から、注目されている人物、ドラマ、映画まで幅広いテーマについて、心理学や行動経済学、リスクマネジメントなどを用いて、独自の視点で分析する記事を書いています。

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