記憶に関する心理学用語

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ここでは記憶に関する心理学用語とその意味についてまとめている。

 

記憶とは何か、誰もがわかっていることだが、それを専門用語で説明してみよう。

まず、記憶には3つの機能がある。

  • 記銘(符号化)・・・入力された情報を覚えること。
  • 保持(貯蔵)・・・記銘によって覚えたことを維持すること。
  • 想起(検索)・・・保持した情報を思い出すこと                     そして 忘却・・・忘れることも記憶に含まれる。

 

よくいわれる短期記憶や長期記憶については以下に説明する。それ以外にも記憶には、それがどんな記憶なのか、どのような記憶なのかという区別もある。

  • ある出来事についての記憶・・・エピソード記憶、もしくは回想記憶
  • 出来事が起きたのが、つい最近だったり数日前ぐらいまでの記憶は・・・近時記憶
  • 数年前の出来事な・・・遠隔記憶。                         
  • 自転車の運転を数年ぶりにやったところ、身体が覚えていたなど、やり方や動かし方を身体が覚えていた・・・手続き記憶

記憶に関する心理的傾向や現象、バイアスについては、記憶に関するバイアス1,2,3を参照してほしい。

 

記憶に関する心理学用語は以下になる。

目次

多重貯蔵モデル(二重貯蔵モデル) 

アトキンソンとシフリン(1968)による記憶のシステムを説明したモデル・外界からの情報は、まず感覚記憶に入り、注意が向けられた必要な情報が短期記憶(ワーキングメモリ)へ入る。入った短期記憶は意識に上るが、そこから重要な情報のみが長期記憶へと転送され、残りの短期記憶は消失する。保持された長期記憶は想起や検索され、意識される。

短期記憶 

 数十秒から数分間の間、脳内にとどまる記憶。保持できる情報の容量は少なく、その数は平均7±2個といわれる。感覚記憶から入力された情報のうち、必要な情報だけが残り短期記憶となる。その他の感覚記憶は消失する。

ワーキングメモリ

 作動記憶、作業記憶ともいう。短期記憶の概念を発展させたもので、短期記憶より目標指向型の記憶になる。

長期記憶

 長期間に渡り、半永久的に持続し、容量的には限界がないとされる記憶のこと。長期記憶には宣言的記憶や非潜在的記憶がある。

宣言的記憶

顕在記憶ともいう。内容を述べることができたり、言語やイメージで表すことができ、意識的に想起することが可能な記憶。過去の出来事に関する記憶であるエピソード記憶と物事や知識に関する記憶である意味記憶がある。

非宣言的記憶

意識的な想起を伴わないため潜在記憶ともいい、代表的なものに手続き記憶がある。手続き記憶は自転車の乗り方など、意識しなくても操作方法や技術、習慣的な行動を覚えているような記憶のこと。

 

感覚記憶

 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触角という感覚による刺激が感覚器官がを経て、脳に届けられ非常に短時間、感覚情報のまま保持される記憶。視覚情報によるアイコニック・メモリ、聴覚情報によるエコイック・メモリがある。

 

時間に基づく記憶の概念

即時記憶

 時間に基づいた記憶の概念であり、数秒から1分程度の後、再生を求める記憶。

近時記憶

 時間に基づいた記憶の概念であり、数分から数時間、もしくは数日くらいまでの記憶であり、これらの期間を経てから再生を求める記憶になる。

遠隔記憶

 時間に基づいた記憶の概念であり、数週から数カ月、数年、もしくは数十年という長い期間を経て再生を求められる記憶である。

 

回想記憶

 エピソード記憶。過去の出来事に関する記憶

展望記憶

 約束や予定のような未来の行為に関する記憶。

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この記事を書いた人

臨床心理士、文学修士
経営心理コンサルタント、商学博士
コミュニケーションやボディランゲージの分析、バイアスに関するコンサルティングなどを行っています。
話題の出来事や時事問題から、注目されている人物、ドラマ、映画まで幅広いテーマについて、心理学や行動経済学、リスクマネジメントなどを用いて、独自の視点で分析する記事を書いています。

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