文春オンラインに『東山社長ではなく、井ノ原”副”社長が手紙を代読した「納得の理由」 臨床心理士が徹底分析した会見の”裏側”とは』という記事を書かせてもらいました。
掲載は2023年10月4日。前回の会見後、ジャニーズ事務所は新体制になる、変われると思った人はいたのかどうか? 至る所から様々な批判が噴出しました。そして開かれたジャニーズ事務所2度目の会見。その様子について独自に分析しました。
記事の概要については、文春オンラインをお読みください。
https://bunshun.jp/articles/-/66161
2度目の会見に臨んだのは、新社長となった東山紀之氏とジャニーズアイランドの社長、井ノ原快彦氏の2人です。
東山氏は、名前へのこだわりを捨て「ジャニーズ事務所の社名を変更致します」と一気に話しました。それだけ決意が必要だったんでしょう。大げさな表現や極端な物言いはなくなっていました。アンビバレンスだった気持ちに折り合いがついたってことでしょうか。
1回目と2回目の違い。話し方や口調、使う言葉や表現、表情や手の動きなど。その違いがどこからくるのか、発言とボディランゲージを合わせて分析すると、彼らの感情の動きや心の内が見えてきて。そこは記事で読んで下さい。
会見では藤島ジュリー氏が書いた手紙が、井ノ原氏によって読み上げられました。本人が登壇して読むでもなく、次なる社長でもなく、井ノ原氏が読むことになった理由。それは藤島氏が会見で自らの立場を「加害者の親族」と表現したことが大きいでしょう。井ノ原氏の雰囲気や人柄、声、話し方と東山氏のそれを比較すると、どちらがやんわりとした印象になるか、なのです。これも会見における1つの手で。
当事者である企業のトップがなぜか被害者面する、そういう会見って結構多くて。何も知らずに経営トップになったとしても、さすがに被害者は無理があります。でもなぜか、謝罪する当事者になると自己弁護や言い訳をしたくなる。そこで表現や言い方をちょっとでも間違うと非難の嵐が巻き起こる。
そこで自分は表に出ず、人当たりがよく柔らかく、1度目の会見で株を上げた井ノ原氏が読み上げることになったのでしょう。
これまでアイドルだった彼らに、難しい問題を抱えた企業の経営ができるのか、再生できるのか、舵取りの難しさを改めて感じさせた会見でした。