文春オンラインに、中森明菜さんと近藤真彦さんが行った「金屏風会見」について分析し、書かせてもらいました。
事件が起きたのは1989年
交際中だった近藤さんの自宅で、中森さんが自殺を図るというニュースは、ネットのない昭和の時代でさえメディアを中心に瞬く間に広がっていくほど衝撃的だった。
しかしそれ以上に世間を驚かせたのは、彼女が大晦日に開いた緊急復帰会見だ。
この会見には今では考えられない2つの要素があった。
1つは会見場に金屏風が置かれていたこと。 ホテル側が気をきかせて、置いたというが、今なら、会見を行う前に事務所なりが金屏風を片付けさせるだろう。 だが当時はそういった危機管理意識が低かったこともある。 建前上、復帰といわれた会見だけに、金屏風でも構わないと判断したのかもしれない。 だが彼女のやつれた姿と精神状態をみれば、それが場違いな設営だったことは気がついたはずだ。
そう考えると、この会見は彼女のために会見ではなく、あくまで表向きは中森明菜を主体にしているが、実はその後の近藤真彦の活動をスムーズにいかせるための会見とみるべきだ。
それは、2つ目は会見場に近藤真彦さんが登場したことで明らかになった。
近藤さんは笑顔で現れ、涙で顔を歪めてうつむく彼女の横で、明るい表情を見せながら、彼女の復帰をサポートし祝うがごとくのコメントをしたのだ。 そして彼は、自分が芸能生活10周年を迎えることを、なぜかここでアピールした。
今なら炎上ものの会見だ。
この会見で彼ら2人が見せた仕草や表情、言葉から明らかになったのは、すでに近藤さんの心は中森さんから離れてしまっているということ。 中森さんの心にはまだ近藤さんがいるが、愛情よりも償いの気持ちが強かったこと。 中森さんは、この時、復帰できるような状態ではなかったということだ。
詳しい分析は文春の記事を読んでほしい。
それから何度も復帰の兆しを見せながら、復帰しきれなかった彼女だが、昭和の歌姫がようやく戻ってきたようだ。