水原容疑者は、その嘘が大谷選手にバレると思ったことはなかったのか?
24憶5000万円、気の遠くなるような額だ。 ドジャースの大谷翔平選手の口座から、元通訳だった水原一平氏が不正に送金したという金額だ。 疑惑が発覚した直後の被害額は6憶8千万、普通の一般人にはその金額ですら想像できない額なのに、実際はその4倍にもなっていた。
不正送金するために、水原氏は色々と小細工をしていたようだ。 大谷選手のある口座について代理人たちがアクセスすることがないようにしたり、銀行になりすまして電話のやり取りをしたり。
そんなことを2021年からおよそ3年あまり続けてきた水原容疑者。 いつかはバレると不安に思うことはなかったのか。 それ以前に、嘘に気が付かれているのでは、怪しいと思われているのでは?と思ったことはないのだろうか。
周囲にはこれまでと変わらないように見えていても、内心はヒヤヒヤということもある。 逆に本人はいたって冷静のつもりなのに、周りからは、今日はそわそわと落ち着かない、上の空みたいだということもある。
自分の考えていることが感じていることが、他の人に伝わっている、見抜かれていると考える傾向を「透明性の錯覚」という。 家族やパートナーなど、その人の動揺する時の表情や嘘をつく時のクセをよく知っていれば別。 ほとんどの場合は見抜かれることはないのだが、そう思ってしまうのが人の心だ。
嘘をついている時に、見破られているかもしれないと感じることを「懸念的被透視感」ともいう。 気づかれたくない相手とやり取りしている中で、もしかして気づかれているかもしれないと感じることだ。
でも、水原容疑者には大谷選手からの厚い信頼という世間的に大きなポイントがあった。
彼が透明性の錯覚に陥ったとしても、おそらく“そんなことはない、大丈夫だ”と打ち消してきたのだろう。
ただ聞いてみたいと思う。
いつかはバレると思っていたのか。
気づかれていると感じたことはなかったのか。
もしないとすれば、ギャンブルに目がくらんで他が何も見えていなかったのか、それとも彼の中に大谷選手への歪んだ感情があったのか。
おそらく裁判で明らかになっていくだろう。